代表からのご挨拶

平和の鐘を末永く

「国連平和の鐘を守る会」代表 高瀬聖子

父、中川千代治は15歳頃から「人は何故生まれ、何のために生きるのか」と悩んだそうです。
多くのお寺をまわり、住職の話を聞いてたどり着いたことは「人は愛するために生きるのだ」と思ったそうです。そんな父が、否応なしに人を殺す戦場に駆り出されたのです。しかし父は戦場においても人を愛しました。部下と共に三つの約束をしました。「村人を殺すな、犯すな、盗むな」を守ったのです。

しかし二度めの戦地ビルマで大切な部下を死なせ、自分だけが生き残ってしまいました。どれほど苦しかったことか、父の心は生き地獄だったでしょう。その消えない苦しみが、「平和の鐘」の運動に自分の命の全てをかけさせたのだと思います。その後父は、22年間に渡り66歳で他界するまで「世界絶対平和萬歳」の鐘を日本はじめ世界に贈り続けました。その鐘の数は大中小288個に及びます。

しかし時が経つと、この事も分からなくなって、その意味も消えます。今、再び平和の鐘の成り立ちや、父の思いを伝える機会を与えられたことを幸せに思っております。
国連では、毎年9月の国際平和デーに国連事務総長がこの「平和の鐘」を鳴らします。私達は世界平和の象徴であるこの「平和の鐘」を末永く守り続けなければならないと思います。

「国連平和の鐘を守る会」代表 高瀬 聖子
(中川千代治 6女)